Kasahara Elementary School
宮代町立笠原小学校
建築を学んでいた大学時代から今まで様々な国内外の建築を見てきたが、どうしても忘れられない、素晴らしい建築の一つに「笠原小学校」がある。「小学校を設計する」という課題が出た時に見に行ったのだが、あまりに素晴らしく、自分で小学校をつくるとしたら、どんな建物にしたいかという参考にしたのも思い出深い。
笠原小学校は埼玉県宮代町にあり、最寄駅は東武動物公園駅。埼玉の田舎らしく周辺には空き地が多く、そのぶん空が広い。
笠原小学校に着くと、学校の方が少しだけ案内をしてくれた。
学校を「町」、教室を「家」としていて、校舎の中は裸足で歩き回れるようになっている。
柱には子ども達や地域の人々が考えた言葉がひらがなで彫り込まれており、他にも天井には星座が描かれていたり、手すりには大きなそろばんが付いていたり、瓦屋根の上には石の小鳥がいたりと、遊び心がいっぱい。
壁は赤く塗られているけど色褪せていて、まるで竜宮城のような建物だ。
教室の天井は3.5メートルと高めで、廊下はそれ以上。教室と廊下の間には、椅子とテーブルを置いた小さなスペースがあり、「おはなし部屋」になっている。これがすごく居心地がいいのだ。友人と3人でしばらくそこに座り、のんびり「おはなし」した。やはり「良い空間」は実際にそこに身を置いて体験してみないと分からない。
こんな素敵な小学校に通うってどんな気持ちなんだろう。きっと毎日ワクワクするに違いない。
都内から電車ではるばる訪れた甲斐があったなあと大満足の建築「笠原小学校」は象設計集団の作品。彼らの作品は全国にあるけど、北海道にも幾つかあるので、北海道に住んでいるうちに訪れたい。
2004
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