Landscape in Hanegi
ランドスケープの授業で訪れた世田谷区羽根木
都心の空中庭園の記事でも触れた、建築学科でのランドスケープの授業。12月後半の午後、この授業で世田谷区羽根木を初めて訪れた。落ち着いた雰囲気の住宅街を散策。自分からはなかなか訪れる機会のない場所なのでとても新鮮。散策していると凝った大きな家が多いことに気づく。
印象に残ったのは、「羽根木の森」という3階建ての集合住宅。元は森だったという12坪の敷地に、1本も木を切らずに建物を建てたという珍しい建築だ。設計は建築家・坂茂氏。建物には樹木を取り巻くようにいくつもの穴がポコポコと開いている。1階を広く空けることによって森を散策するような雰囲気を実現している。
1階はほとんど壁のないピロティになっており、開放感のある空間。建物を支える柱のほか、各住戸の玄関と小さな個室の壁にはミラーガラスが張られ、樹木を映し出している。1階を歩いていると建物にいながらまるで森の中にいるような錯覚に陥る。建物中心部は中庭となっており、オーバル型に囲むガラスブロックから内部の美しさが伺える。
敷地にもともとあった27本もの樹木を移動させることなく建物の方をくり抜いているため、楕円形や円形の穴がランダムに開いており、住戸の形は一つ一つ異なる。全部で11戸のそれぞれ独立した玄関を持つ長屋形式の集合住宅だ。
1階にアトリエのついた住戸と1階は階段のみの住戸の2種類のプラン。1階を仕事場にして2階で生活するというSOHOを想定した建物となっている。木と共生する建物は有機的で、ここに住んだら自由な発想が浮かんできそうだ。
住宅街を歩き、羽根木公園へ。ここはプレーパークといって、小さな小屋、遊具、ツリーハウス、ハンモック、焚き火など子どもたちが中心となって遊べる空間となっている。その日は木枯らしがビュービュー吹きつけ、頭が割れそうなくらいの寒さの日だったのだけれど、子どもたちはみんなのびのびと遊んでいて独特の雰囲気。見ているとなぜかドキドキした。私が子どもの頃にもこんなおうちのある遊び場があればよかったのに。春、夏、初秋はどんな感じなのだろう。また訪れてみたくなった。
2005 December
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