Hanging Gardens in Central Tokyo
都心の空中庭園
建築を専攻していた大学で印象に残っている授業の一つが「ランドスケープ」。2週間に一度、都内の様々な庭園や公園を履修している生徒と先生で一緒に見に行き、後日レポートを出す、というユニークな授業。
それまでは国内外のあちこち建築を見に行く旅をしていたのだけれど、ランドスケープという建築よりもう一回り大きなスケールのものに興味をもつきっかけになった授業だった。
「ランドスケープ」の授業で訪れた場所として印象深い場所の一つが「都市の中にある庭園」というテーマで、溜池山王から赤坂、六本木へと歩いたこと。
コマツビル屋上庭園、泉ガーデン、アークヒルズ、六本木ヒルズの毛利庭園。
高層ビルが建ち並ぶなかにも、いかに多くの庭園があるかを感じた。
ただビルを建てるだけではなく、そこで人が多くの時間を過ごすことを考えると、緑のある空間をつくることはとても大切。
訪れた都心の庭園の中でも特に印象深いのが、コマツビル屋上庭園。
今でこそ日本各地に屋上庭園は数多くあるけれど、ここの屋上庭園はコマツビルが建てられた1966年当初からつくられ、日本の屋上庭園の先駆け。
「空中庭園」としてつくられた庭園は、屋上にもかかわらずビルの基礎と建物の構造を補強することで普通の土壌をつくることができ、しだれ桜など背の高い木もあることに驚く。
昆虫もいて、夏にはセミも羽化する。野鳥も多く訪れ、屋上とは思えないほど豊かな庭園。まるで都会のオアシスのようだった。
2005 November
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