Hakone Gourakansuirou
箱根 強羅環翠楼
2010 March
茶道の師範である祖母より、幼少時から従姉妹と習っている煎茶道。清泉幽茗流のホームページの撮影に私と従姉妹がモデルとして出演することになり、箱根へ。
撮影場所は「強羅環翠楼」という老舗の旅館。創業約400年の歴史をもち、皇女和宮様、天璋院様、伊藤博文から夏目漱石や島崎藤村をはじめとする文学者まで、国内外の多くの文化人や政治家に愛されてきたという。
大正ロマンの香り漂う建物は旧三菱財閥岩崎家の別荘を譲り受けたもの。大正時代の中頃に建造された国内でも数少ない木造による高層建築で、国の登録有形文化財にも指定されている。お風呂場のタイル、ステンドグラスなどは日本で最初期に輸入された当時のものがそのまま使われ、大正時代の雰囲気がそのまま残っている。一万坪もの敷地内にある庭園「華精園」はなるべく人の手を加えず、石と木々が生み出す自然の美しさを生かしているそう。
撮影だから晴れたら良かったのに、と思っていたけれど、和洋折衷の建物は雨の日がよく似合う。雨の日本庭園はぼんやりと白く霧がかかり、窓を開けているとマイナスイオンが入ってくるようだった。
清泉幽茗流煎茶道は和室で着物を着て行うお点前はもちろん、洋室で洋服を着て、椅子に座ってお点前をすることもできる、日常に取り入れやすい茶道の流派だ。そんな茶道の特徴にぴったりの和洋折衷の建物で行われた撮影は、ピンクの訪問着とブルーの洋服の2パターン。限られた時間の中、撮影チームの集中力はだんだん高まり、良い写真が撮れたと思う。
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